【本気の仕事講座】生きがい追求に必要な発想の転換 (1/2ページ)

2014.1.7 05:00

 自戒の念を込めて述べたい。不毛な忙しさに絡めとられているビジネスマンがいかに多いかということを。手帳に予定をぎっしり詰め込み、毎日を多忙に過ごしているが、自分にとって本当に必要なこと、意義あることを意識・認識することなく、ただ怒濤(どとう)の川の流れの如(ごと)く過ごしている状態。「前の会議が長引いて…」と遅れて参加し、「次の会議があるので…」と中座する“秒の殺し屋”のようなビジネスマンは読者の周囲にいないだろうか。

 参加することに意義がある会議は通過儀礼であって、会議本来の目的を果たしていない。そのような会議は時間泥棒以外の何者でもない、即刻中止した方がよい。不毛な忙しさに絡めとられるとは、一生懸命、空回り、取りつかれ状態ともいえる。従って企業、組織においては「デキル」と評判の人や、努力家で責任感の強い人ほど不毛な忙しさから抜け出せないように見受けられる。

 なぜなら、彼らは組織の論理と評価が絶対的価値基準となっているから、一瞬たりとも立ちどまって自分という「個」の論理に戻ることがないからだ。帰属する組織の喜びを自分の喜びに重ね合わせていくように同化していく。企業と従業員が一致団結して経済大国を目指し、上り坂を駆け上がっていた高度成長期と現代は違う。われわれの根底を成す活力源であり、突き動かす動機エンジンは「生きがいの追求」に他ならない。世界中の忙しさをすべて背負っているようなビジネスマンは、大きな絵を描き、キャリア・ビジョンを熟考することもない。

 哲学者、セネカは「怠惰な多忙」という言葉を残し、次のような警句を放つ。『われわれは短い時間をもっているのではなく、実はその多くを消費しているのである』。ただ忙しいふりをして、大声で旗振りするだけのリーダーに対して「忙しいからビジョンが描けないのではなく、描けないから忙しいだけだ」と助言してみよう(笑)。

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