今年は日本経済が回復基調から持続的成長へと転換を図り、東京五輪が開かれる20年に向けたスタートとなりうる年。豊田章男・日本自動車工業会会長は「基幹産業の気概を持ち、日本の『元気』『笑顔』を取り戻すために邁進(まいしん)する」と力を込める。
民間主導で「元気」な日本を取り戻そうという経営者の意気込みも強い。例えば、景気失速が懸念される4月の消費税増税。鈴木敏文・セブン&アイ・ホールディングス会長は「価格競争激化に巻き込まれることなく『新しさ』『上質』を追求」することで消費活性化を狙う。
中には、産業界の「金メダル」を目指すことによって、社員を鼓舞する経営者も。孫正義・ソフトバンク社長は「モバイルインターネット世界ナンバーワンを目指す」と宣言。伊東孝紳・ホンダ社長は「ホンダは世界一、世界初に挑戦して、勇気や感動を与える」と表明する。宮永俊一・三菱重工業社長は「日立製作所との火力合弁会社が発足する。世界一の火力発電システム事業を目指す」と意気込む。
ただ、前年に発覚した不祥事への対応という重い宿題を残した企業もある。提携ローンに関する不祥事で行政処分を受けた佐藤康博・みずほフィナンシャルグループ社長は「今年はグループガバナンスの高度化を図り、信頼回復に努めたい」と誓う。