筒井義信さん【拡大】
■未達の3カ年計画 重点課題は「反転」
--中期3カ年計画の最終年度を迎える
「アベノミクスによる市場改善効果を享受し、2013年9月中間決算では3年連続で『順ざや』を確保し、新契約もいずれの市場でも伸ばしている。14年度末に3兆円と計画した自己資本は昨年9月末ですでに3兆5000億円に達した。ただ保険販売は志の高い計画を立てており、プラスとはいえ計画には未達。海外戦略も積極的にやってきたが、まだ満足いく成果がない」
--今年の重点課題は
「『反転』だ。日本経済は20年間デフレが続き、軌を一にする形で保有契約や営業職員チャンネルが縮小し、当社も少しずつ業容が小さくなっており、当然危機感を持っている。生保は質も大事だが、経営を安定させるには規模も大事。保有契約を反転させることが3カ年計画の底流にある。新契約など反転した項目はいくつか出ているが、先進性のある新商品の投入や販売チャンネルの拡充などでもっと反転項目を増やす」
--昨年4月の標準利率改定で各社の値上げが相次ぐ中、主力商品の保険料を据え置いたのも反転への布石か
「結果的に新契約の追い風になったのは事実だが、競争で優位に立つためでなく、12年4月に新商品を発売し新価格体系にしたばかりで、1年ですぐに変えるのは顧客の理解が得にくいと考えたからだ。しかし、責任準備金の積み増し負担もかなり大きく、予定利率の改定に取り組まざるを得ない」
--順ざや幅の拡大を受け、増配など利益還元策は
「利差益は絶対額としてはまだ厚くないし、低金利に張り付いたままではいつまた『逆ざや』に戻るかわからないリスクを抱えており、今の段階では慎重であるべきだ。リーマン・ショックなどで毀損(きそん)した自己資本の積み上げも必要だ。自己資本は長期的に4兆6000億円と、世界トップと肩を並べる数値を目指している。そこまでいかないと増配しないということではないが、予定通りの積み増しが見通せ、金利の緩やかな上昇が見えれば、将来的に増配を考える素地ができてくる」
--アジアの保険会社への出資を加速するのか
「インドネシアの生保への出資を検討しているが、アジアに限らず新興国で信頼がおけて長期的な付き合いができるパートナー探しにアンテナを張っている。また保険と資産運用のグローバル化を進めるため、世界大手の金融機関との提携拡大も進めたい」(万福博之)
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【プロフィル】筒井義信
つつい・よしのぶ 京大経卒。1977年日本生命保険入社。秘書部秘書役、長岡支社長、取締役総合企画部長、取締役専務執行役員などを経て2011年から現職。兵庫県出身。