飲酒運転への厳罰化で「外飲み」から「家飲み」への流れも加速。また、特定健診・特定保健指導が始まるなど、メタボリック・シンドローム予防の機運が高まり、アルコール飲料にも機能性が求められるようになった。
そんな逆風下でサントリーが放ったのは、高めのアルコール分と、糖類ゼロという新しいコンセプトだった。
21年発売の「ストロングゼロ」はアルコール分が高めの8%で、狙いである糖類ゼロも実現。「1本でもしっかり酔える機能性チューハイ」(井島さん)として、財布の中身とおなか周りが気になる30~40歳代男性らの人気をさらった。
時代のニーズにはまった「ストロングゼロ」シリーズの販売実績は、発売2年目に1億6000万本(350ミリリットル換算)と前年比55%増、3年目は47%増の2億3500万本とうなぎ上りだった。
商機を見いだした開発陣が次に目をつけたのが、働く女性の増加などを背景に、家でお酒を飲む女性が増えつつあることだった。女性が好む果物の品ぞろえを増やせば、市場をさらに押し広げられる。