スマートフォンを手に写真共有アプリ「ピックチャット」について説明する、シナモンの平野未来CEO【拡大】
発見もあった。当初このアプリは旅行などで同じ場所にいる人たちが思い出を深める手段として開発した。が、実際は離れた場所にいる者同士が画像を送り合い、交流を深めるケースが少なくないという。そこで今回の新バージョンでは、写真に音声を添付できる機能を追加。コミュニケーションツールとしての魅力も高めた。
平野CEOは以前、日本で設立したアプリ開発会社をミクシィに売却して得た資金などを元手にシナモンを設立した。開発拠点はベトナムの首都ハノイにあり、社員約10人のうち「私ともう1人以外みな外国人」という多国籍企業だ。
異国での起業にはさまざまな苦労が伴ったはずだが、「日本に会社があると国際的なマインドを持つのが難しい」と意に介さない。
ピックチャットは日本だけでなく、台湾でも同時に配信を始める。日本は重要市場ではあるが、舞台はあくまで世界だ。
交流サイトは1億人のユーザー獲得が世界的な成功の目安といわれる。平野CEOは「そのぐらい増えれば人の生活を変えたいという夢がかなう」と、激戦区での生き残りを誓う。(井田通人)
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【会社概要】シナモン
▽本社=150セシルストリート、シンガポール
▽設立=2012年10月
▽資本金=3000万円
▽従業員=約10人
▽事業内容=写真共有アプリの開発