□ITのアンバサダーに選ばれる営業マン
■全ての仕事にITフル活用
実家の堀江織物(愛知県一宮市)に転職する際、一人東京にとどまり、営業活動を行うと決めた堀江賢司さん。事務所に縛られるのはイヤと考え、コワーキングスペースという場所を活用している。
--事務所を持たないスタイルをどう確立したのですか
「まず、オフィスに縛られる条件を洗い出しました。ポイントはメールとFAXと郵便物。郵便物は自宅に届くようにしてあとは2010年当時出始めた“クラウド”を徹底活用しようと決めました。メールはウェブメールサービスを使うことにし、FAXはインターネットFAXに。古い業界で見積もり依頼はほとんどFAXです。それらをメール経由で自動的にテキストやファイルを保存できるクラウドサービス「エバーノート」に取り込み、パソコン上でFAXデータを加工して見積もり書を作成、メールで返信すると先方のFAX機に紙が出てくるという環境を作りました」
--先方はFAXで紙を送受信するが、こちらは全てパソコン上で完結する仕組みですね
「そうです。ほかにも手書きのメモは、専用ノートに書いて電子化できるアプリ「キャミアップ」でパソコンに取り込み、紙で受け取ったら高速スキャナー「スキャンスナップ」でデータ化。こうして、あらゆる情報をクラウドサービスに集約します。東京でオフィスを持たずに1人で営業しようと決めたとき、“日本一クラウドを活用する製造業の営業マン”になりたいと考えました。ずっと活用してきたサービスや機器のアンバサダー(親善大使)に選出されて、ファンとしてうれしかった」