味の素は13日、京都大と共同で、再生医療への活用が期待されるiPS細胞(人工多能性幹細胞)用の新しい培養液を開発したと発表した。人工的に作ったタンパク質を利用、ウイルスなどのリスクがある動物・ヒト由来成分を使わないため安全性が高いという。
味の素は、この培養液を京大や再生医療ベンチャーに提供しつつ、製品化を進める。平成28年に販売を始め、発売10年後に400億円の売り上げを目指す。
同社によると、従来の培養液はウシやヒト由来の成分をふくんでいた。新開発の培養液「ステムフィットAK03」は、酵母などに作らせた「リコンビナントタンパク質」を利用。さらにビタミンやアミノ酸などを配合し、iPS細胞の培養効率を30倍に引き上げた。
京大iPS細胞研究所の中川誠人講師は「安全性が高まれば、iPS細胞の臨床応用が加速する」と会見で説明。味の素の国本裕副社長は「再生医療用の培養液や試薬は、16年後に国内だけで1兆円市場に伸びる」と有望性を強調した。