横浜で開催されたアフリカ開発会議(TICAD)に合わせて行われたイベントで、携帯X線撮影装置をPRするジョブの社員(昨年6月、パシフィコ横浜)【拡大】
04年に人の医療向けプロトタイプを開発、その後改良を加えた「PORTA100 HF」は小型にして9.2キログラムの軽量化を実現した。日本貿易振興機構(ジェトロ)の海外市場開拓支援サービスを活用し、09年にシカゴのX線学会で発表したところ、反響があり転機につながった。欧米に輸出するには欧州のCEマークと米食品医薬品局(FDA)の認可が必要だが、ノウハウのない中堅企業にとっては苦労の連続だった。CEマーク取得に1年半、FDA承認に2年の歳月をかけた。
日本では東日本大震災をきっかけに移動式医療診療車に採用されたが、海外の実績作りはこれからが本番。海外展示会への出展などを通じて、現在売上高9億円強のうち海外の比率1割強を、5年後に3割に引き上げたい考えだ。(上原すみ子)
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【会社概要】ジョブ
▽本社=横浜市港北区新横浜1-19-8
▽設立=1988年2月1日
▽資本金=4000万円
▽従業員数=約50人
▽売上高=約9億円
▽事業内容=X線による異物混入検査システムや携帯用X線撮影装置などの製造・販売