川崎市が整備する施設のうち、第1弾として11年7月から運用を開始した実験動物中央研究所は、慶応大学医学部の岡野栄之教授による先端医療を中心に、再生医療によるアルツハイマー病やパーキンソン病などの難病克服を目指す研究開発が進んでいる。
生命科学・環境分野のイノベーション創出を目的に13年3月に誕生したLiSEでは、川崎市の環境や健康分野の研究機関のほか民間の研究所などが入居する。産学公民が連携し研究開発を行うことで、キングスカイフロント内を活性化させる役割を担っている。同施設は民間企業を活用した整備手法を採用、建設から運営までを民間が行っている。
「ものづくりナノ医療イノベーションセンター(iCON)」は、主にナノテクノロジーを用いて、がんなど難病治療の医薬品開発に取り組む。iCONでは、研究リーダーにナノ医療の権威である、東京大学の片岡一則教授を起用し、高コストな高度先端技術医療から、均質かつ高付加価値な「エコ医療」を実現していく。また、富士フイルムやニコンなどの民間企業も研究に参画、ナノ医療技術の普及に向けた研究をすすめ、世界をリードする研究施設を目指す。