苫東地域でトマトなどを栽培するスマートアグリ施設の完成予想図【拡大】
JFEエンジニアリングは、北海道苫小牧市の苫東工業地域でスマートアグリ事業として、オランダ型栽培システムを導入したトマト、ベビーリーフなどを生産するプラント施設建設の起工式を行った。
このプラントは、国内初めての天然ガスによる大規模トリジェネーレションを導入した。生産効率を高めるためにオランダ型高度栽培制御システムで天候データや温室内の環境データなどを栽培種に応じて最適な環境で自動コントロール。またエネルギー源として天然ガスエンジン装置で電気、熱、CO2を制御して光合成を最大化している。さらに多様な品種を通年栽培できるシステムも構築した。
敷地面積3.8ヘクタールのなかにベビーリーフ栽培棟1ヘクタール、トマト栽培棟0.5ヘクタールを建設してそれぞれ年間約100トン生産する。今後はパプリカ、水ナス、デンスケスイカ、オリーブなどを栽培する。生産された農産物はアド・ワン(札幌市)が買い入れて、大型量販店に安定供給する。
スマートアグリ事業部の山川敏秀部長は「オランダは米国に次いで世界2位の農業生産国。日本の九州ほどの面積で、生産性を高めるのは高度な栽培技術を確立しているから」と、この技術にエネルギー技術などが加わった。また、苫小牧市に立地したのは、天然ガスが導入され、夏季冷涼、安価で広大な用地、優れた物流機能などをあげた。
今後、このプラントは通年栽培ができるために北海道安平町、釧路市、新潟県などで建設を予定している。今年7月末に完成してベビーリーフは8月から出荷する。