【知恵の経営】地元木材PRで地域貢献 (1/2ページ)

2014.3.26 05:00

 □アタックス研究員・坂本洋介

 資源やエネルギーが少ない日本にとって、地域資源を有効活用する企業の重要性は増していくと考えられる。環境問題や雇用を始めとする地域活性化の面でもさまざまな意義がある。そうした観点から、木材・建材販売、製材、プレカット加工などを行う須山木材(島根県出雲市)を取り上げる。

 同社は1877(明治10)年の創業以来、木材の地産池消とも言うべき、島根県産木材の県内での積極的活用を行い、地域活性化に貢献しながら成長を続けてきた。

 先日訪問した際、須山政樹社長と泰則会長から話を聞いた。そのとき筆者は初めて知ったが島根県は森林面積比率(都道府県面積に占める森林面積の割合)が79%と全国第3位で、多くの木材が資源として眠っている状況にあるという。

 同社では約30年前から県内に500ヘクタールの社有林を保有している。当然、社有林から県産木材を乾燥材として供給できる体制を整える意味も大きい。

 だが、それよりも大きな目的は「出雲の森プロジェクト」だ。県産木材の利用によって県内林業の活性化を促し、循環型社会づくりに貢献することと、県産木材自体をPRすることである。

 森林ではどうしても、それぞれの木々が成長することによって隣同士の枝葉が重なり合い、互いの成長を阻害してしまう。そこで適正量の木々を切り出し、一本一本の木々の間隔を適度に保ち、木々の成長を促進するため間伐を行う必要がある。

 間伐によって、森林保全につながるのと同時に、間伐材を有効に活用している。

 具体的には、これまで鉄筋・鉄骨作りがメーンだった地元の幼稚園や保育園といった施設で県産木材を活用し、校舎の木造化を進めてきた。木造にしたことで、園児たちが裸足で校舎内を走り回ったり、木材の香りによる癒やし効果もあり、好評だという。

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