土田:そうした好奇心やモチベーションは、どこから生まれてくるのでしょう?
木村:それには、北野武さんとの出会いが大きな影響を及ぼしています。大学生の頃、数学好きな女子を探しているという話を聞いたのがきっかけで、フジテレビの番組『たけしのコマネチ大学数学科』に約7年半、出演させていただきました。武さんは「常識を破壊するものを作ろう」とおっしゃっていて、私の場合は学問こそがその方法だと気付かされました。それ以来、物事を探求し、発見する楽しさをより多くの人に伝えることで、未来の創造につなげていきたいと考えています。
土田:多岐にわたるご活動を通して、学問とそれ以外のお仕事を、どのように両立しているのでしょう?
木村:あらゆることが“実験”で、すべては根本でつながっていると思っているので、両立という概念自体がありません。まず自分なりの仮説を立て、手を動かして検証し、自ら経験する。たとえ失敗しても、気付きや出会いなど、さまざまなファクターが掛け算されて、自分自身が形作られていく感覚です。
土田:その姿勢を維持するために、日頃どんなことを心がけていますか。
木村:常に自分の中で“思考の洗濯機”を回しています。興味のあることを頭の中で回し続けていると、余計な情報や雑念などの汚れが落ちていき、さらにちょっとした刺激が加わることで、大きなひらめきが生まれる。私にとって創造欲は食欲や睡眠欲よりもはるかに勝る欲望で、それが満たされた時の幸福感は他の何物にも代えがたい。そのエクスタシーを求めることこそ、人間の本能的な欲求だと考えています。