--なぜ市場は縮小しているのか
「(高齢化の進展で)葬儀の数自体は増えている一方、単価がそれ以上に下落している。単価下落には複合的な要因が絡み合っている。一つには社会構造が大きく変化している。昭和時代には4人家族が最も多かったのに対し、核家族化が進み、単身者も増えている。それに戦後間もない時期には農業などの第一次産業が半分を占め、同じ土地で一生を送る人が多く、近隣との交流も濃密だった。だが今は家族だけが転勤などで引っ越すケースが多く、お寺も含めて関係が希薄になっている。そうなると葬儀の規模は小さくならざるを得ず、単価も下がる」
--ヤフーと葬儀情報の提供などに関して業務提携した
「5月に、葬儀に関する消費者向けの情報発信や課題解決の窓口をヤフーと共同で立ち上げる。当社は数千社に及ぶ葬儀会社とのネットワークを生かして情報を提供するほか、各種問い合わせ対応を行う。一方、それらを取り次ぐヤフーには集客力がある。実現すれば、葬祭分野で圧倒的な情報提供をするサービスが生まれる」 (井田通人)
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【プロフィル】清水祐孝
しみず・ひろたか 慶大商卒。4年間の証券会社勤務を経て、1990年に鎌倉新書入社。2000年から現職。51歳。東京都出身。
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【会社概要】鎌倉新書
▽本社=東京都中央区日本橋本石町4-4-20 三井第二別館3F(4月22日以降)
▽設立=1979年4月
▽資本金=1億1020万円
▽従業員=69人
▽事業内容=葬儀に関するポータルサイトの運営など