国際オリンピック委員会(IOC)のマーケティング委員長に就任した竹田恒和氏(右)とトーマス・バッハIOC会長【拡大】
驚きの人事が、さまざまな憶測をよんでいる。国際オリンピック委員会(IOC)のスポンサー集めなどを担当するマーケティング委員会のトップに、日本オリンピック委員会(JOC)会長でIOC委員の竹田恒和氏が任命された。
財務、医事、女性委員会などがあるなか、マーケティングは収入面の責任を担う重要ポストである。わが国のIOC委員のなかで、猪谷千春氏(現・名誉委員)が副会長を務めたことがあるものの“台所”を任せられるのは初めてとなる。
マーケティング委員会とは、協賛スポンサーの選定、テレビ放映権料、入場券の売り上げ、グッズのライセンス料などの契約交渉を担当する部門である。
◆定年延長への布石か
IOCは今年2月、パナソニックと五輪最高位のスポンサー契約を2024年まで延長することで合意した。新たな契約では、大型スクリーンなど従来のAV機器に加え、一部地域を除き白物家電と電動自転車が提供されるという。期間は17年から24年まで、契約金は明らかにされていないが、約200億円(推定)とみられる。
この交渉をまとめるなど13年間にわたりマーケティング委員長を務めたゲルハルト・ハイベルク氏(ノルウェー)が高齢を理由に退任を表明した。
後任に指名された竹田氏は「財政基盤が引き続き整っていくようにベストを尽くすつもりだ。JOCで培った経験を生かしたい」と抱負を語った。
竹田氏の委員長就任には(1)18年に韓国・平昌、20年に東京とアジアで冬、夏季五輪が開催される(2)トーマス・バッハ会長との信頼関係が功を奏した-と五輪招致成功による抜擢(ばってき)人事と評価する見方がある。
一方で、IOC委員の定年延長との絡みではないかという深読みもできる。
五輪憲章で委員の定年は70歳(1999年以前に就任した委員は80歳)と定められている。竹田氏は現在66歳、12年に委員に選ばれているので、現行のままなら20年五輪のとき、IOC委員ではない。