【新興国に翔ける】財閥が牛耳るフィリピン経済 (2/2ページ)

2014.5.13 05:00

 次に注目すべきは、ルシオ・タン(Lucio TAN)氏率いるルシオ・タン財閥だ。銀行や航空、たばこ、農園、ビールなどで各社を傘下に収めている。フィリピン航空を保有しているのもこのルシオ・タン財閥だ。また、たばこの分野ではフィリピン市場の約80%を牛耳る。ルシオ・タン氏はフィリピンで2番目の資産家で、70億ドル、日本円で約7070億円を所有する。

 小売り、食品、航空、不動産、石油、繊維、通信を手がけるゴコンウェイ財閥の存在も大きい。小売り大手のロビンソンズ(Robinsons)を運営するのもこの財閥で、日本側との合弁でミニストップを現地展開している。セブ・パシフィック航空も持つのもここだ。

 次は、フィリピンで人気ナンバーワンのビール、サン・ミゲル(San Miguel)を保有するコファンコ財閥だ。サン・ミゲルといえば、キリンビールが48%の株式を保有していることで有名だ。この財閥は、食品や養鶏、飼料事業などを中心としている。

 ロペス財閥は、通信、電力、水道、高速道路などのインフラを手がけ、フィリピン最大の放送局ABS-CBNや電力会社のメラルコ(Meralco)を保有する。

 そして最後が、銀行、建設、自動車、保険などを手がけるユーチェンコ財閥だ。

 このようにフィリピンでは、主要な産業は全て財閥が牛耳っており、今後もこの形は長く変わらないだろう。

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【プロフィル】森辺一樹

 もりべ・かずき 海外販路構築のスペシャリスト。10年以上にわたり1000社以上の海外展開の支援実績を持つ。アジア新興国市場の販路構築が専門。海外市場開拓コンサルタントの第一人者として活躍中。“アジアで売る”ためのノウハウをネットラジオで無料配信中! www.spyderagent.com/podcast >>森辺氏のツイッターは @kazukimoribe

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