日産自動車のカルロス・ゴーンCEO【拡大】
ゴーン氏のチャレンジ・スピリッツ(挑戦心)は敬服に値する。しかし、この機能統合の難易度は非常に高いように映り、挑戦心の結実は自動車産業史に残る出来事となりえよう。
これまでも、ゴーンCEOが生み出した日本の経営システムへの影響は計り知れない。今や日本的経営でも当たり前のコミットメントやインセンティブ経営は多くはゴーン改革がもたらした変化であった。
1999年の電撃的なルノー・日産の合従連衡に対し、市場は「弱者連合」などと懐疑的な見方を投げつけたものだ。現在の成功を思えば、両社のCEOとなったゴーン氏の卓越した経営力は言うまでもなく、時代が求める変化への果敢な挑戦心があったことを忘れてはいけない。(自動車アナリスト 中西孝樹)