ファストリが方針転換した背景には人手不足がある。製造小売り(SPA)を展開するユニクロにとって、販売員の高度なサービスが不可欠。キャリアがあり、地域の来店客と密接な関係を持つパートやアルバイトを確保するため、「日常生活で成長する人生も認める」(柳井正会長兼社長)とグローバル人材一辺倒の方針を転換した形だ。
小売業や飲食業では、化粧品製造・販売のファンケルが地域限定の正社員制度を始めたほか、うどん・そばチェーンのグルメ杵屋も、中途採用者を対象に地域限定の勤務制度を新設する予定だ。働き方の自由度を上げる制度として注目を集めている。
労働問題に詳しい日本総研の山田久チーフエコノミストは「こういった人手確保の対策をとらなくては、デフレが終わる中で生き残れないことは確実だ」と指摘する。その上で「地域正社員という働き方で生産性を高め、収益向上ができれば、今後、日本企業に共通の課題となる人手不足に対応するビジネスモデルになり得る」と期待を寄せた。