大麦の中でも、同社が着目したのがもち麦だ。大麦にもコメと同様「うるち性」と「もち性」がある。あまり注目されてこなかったが、もち麦は、うるち性の麦より1.5倍のβグルカンを含んでいる。さらに「もちっとした食感」が日本人の好みにあった。
こうして「もち麦は長い目で見て伸びていく。エビデンス(科学的根拠)を基に売り出して行ける」(長澤社長)と確信し、雑誌などに地道な情報発信をしてきた。それが13年4月にテレビ番組に取り上げられ消費が急拡大した。「潮目が変わった」と感じたという。
もち麦ごはんを発売して3年目を迎えた14年3月期は、当初に比べて販売量が約3倍に伸び、大麦商品の中では一気に一番の売れ筋になった。
今後も新しいレシピの開発、普及を図るほか、経時変化が少ない特色を生かし、飲食店や中食、コンビニエンスストアなど業務用の用途を拡大していく考えだ。(広瀬洋治)
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【会社概要】はくばく
▽本社=山梨県富士川町最勝寺1351
▽設立=1941年4月
▽従業員=320人
▽資本金=9800万円
▽売上高=148億円 (2014年3月期)
▽事業内容=精麦、雑穀、和麺、製粉、飼料などの製造・販売