□損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント社長・角秀洋さん(57)
■「見える化」で企業の危機管理支援
--企業の危機管理を支援する業界の足元の動向は
「国内の損害保険大手に加え、一部のシンクタンクもリスク管理のコンサルティング会社を持っており、競合他社は少なくない。だが、最大の競争相手は『客』だと考えている。顧客企業は海外進出を加速させ、新たな分野に挑んでいる。他社との競争以上に、そうした顧客ニーズに応じたサービスを提供できるかが問われている」
--重点的に取り組むポイントは
「第1は『見える化』だ。企業にとって、どこに、どれだけのリスクがあるのかを定量的に示す力が一段と重要になった。そのため担当部署の陣容を拡大している。第2のポイントは人材だ。リスク分野は多岐にわたっているため、多様な分野の専門家を外部から招いている。例えば工場管理なら、現場の実態を熟知しているプラントエンジニアのベテランを採用した。一方で、最新の統計手法になじんだ若手の採用にも力を入れている」
--中小企業も海外進出を強化している
「そのグローバル化を、第3の注力ポイントに位置づけている。特に人口増加率が高い新興国では、現地固有のリスク管理のニーズを把握できなければならない。国内で築いた手法をそのまま海外に移入するだけでは不十分で、現地化された分析手法やサービスを築き、そのための人材を育成する必要もあるだろう」
--NKSJホールディングスの一員としての戦略は
「グループには企業の健康管理策に強みを持つヘルスケア専門の会社や、メンタルヘルス対策が得意な会社もある。顧客企業には、そうしたサービスをグループ一体となって提供できる。高齢化に伴い、介護施設や高齢者向け集合住宅の運営の安全面が重要視されるようになった。医師の賠償保険など医療分野に強いNKSJの一員として、医療・介護を今後の成長分野として強化する」