東芝の子会社で米原子力大手のウェスチングハウス(WH)がブルガリアで原子力発電所1基を受注する見通しとなったことが3日、分かった。受注額は5000億円程度の見込みで、原発運営会社への出資も検討している。
東京電力福島第1原発事故以降、原発メーカーは国内で新設が見込めず、海外へのシフトを進める。
WHが受注する見通しとなっているのは、同国コズロデュイ原発で新設が計画されている出力100万~120万キロワットの原子炉。昨年12月に国営電力会社ブルガリア・エナジー・ホールディング(BEH)との優先交渉権を獲得し、交渉を進めてきた。合意に向け、BEHの原発子会社の株式を取得する案なども検討されているもようだ。
ブルガリアをはじめ、東欧は原発建設に積極的な国が多い。電力需要の増加に加え、天然ガスの輸入をロシアに頼るなど、エネルギー安全保障の観点からも原発のニーズが強いためだ。東芝は今年1月、英国の原発事業会社ニュージェンの買収を発表している。