地域のエネルギーシステムの中核となる「柏の葉スマートセンター」=7日、千葉県柏市【拡大】
三井不動産は7日、千葉県柏市で複合開発を進めている「柏の葉スマートシティ」で、地域全体の省エネルギーを実現する大規模なエネルギー制御システム「柏の葉エリアエネルギー管理システム(AEMS)」を導入し、8日から本格稼働すると発表した。
8日に開業する中心街区「ゲートスクエア」の一角に、同システムの中核となる「柏の葉スマートセンター」を設置した。各街区にある大規模蓄電池や太陽光発電設備を自前で整備した送電網でつなぎ、同センターで運用・制御する。
この仕組みによって、平日はオフィス街区、土日は多くの人が訪れる商業施設街区に電力を融通できる体制を整備。地域全体でピーク時の電力使用量を約26%カットできるという。ゲートスクエア内の賃貸住宅には個別にエネルギー管理システム(HEMS)を導入。自宅でも省エネを実現できるようにする。
同日に現地で行われた会見では、2030年に向けた事業計画も発表した。それによると14年以降を開発の第2ステージと設定。30年には居住人口を現在比で5.2倍の約2万6000人、就業人口を15倍の約1万5000人まで増やす方針だ。
それに向けて、16年秋をめどにカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と組んで複合商業施設「柏の葉T-SITE(仮称)」を開業する。
また、「健康長寿」も重点に掲げ、近隣にある東大や国立がん研究センターなどとの連携を促進。「オーダーメード医療や住民との連携による商品開発に力を入れていく」(菰田正信社長)計画だ。