西松建設(東京都港区)は、シールドトンネルの覆工に用いるセグメントで、構造材としてアラミド繊維を混入したRCセグメント「AFRCセグメント」を開発した。従来、シールド工法によって掘削されたトンネルは、壁面にセグメントと呼ばれるブロックを組み上げて構築する。近年は大深度や低土かぶり、長距離高速掘進など厳しい荷重条件下での施工が増えているため、強度のある鋼繊維を混入したRCセグメントが普及し始めているものの、さびが発生する問題を抱えている。
同社は、さびが発生せず軽量なアラミド繊維を用いたRCセグメントの開発に取り組んだ結果、構造実験では、配力筋量を4分の1に低減しても、通常のRCセグメントと同等以上の曲げ耐力と変形性能を有することを確認した。アラミド繊維は鋼繊維に比べ高価だが、優れた強度特性を持ち、さびが発生しないため美観に優れるなどの利点がある。今後は鋼繊維にない特性を生かした実用化を目指すとしている。