電力広域的運営推進機関の設立総会=17日午後、東京都豊島区【拡大】
全国規模で電力の需給調整を行うための司令塔として来年4月から業務を開始する「電力広域的運営推進機関(広域機関)」の設立総会が17日、都内で開かれ、政策研究大学院大の金本良嗣副学長(64)を理事長に選任することなどを提案した6議案を賛成多数で全て可決した。今月末にも茂木敏充経済産業相に設立認可を申請する。
広域機関は100人体制で発足し、2年目以降に最大200人程度に増やす方針。当面は、全国の送電線網の運用を日々管理している電力系統利用協議会(ESCJ)から設備を譲り受けて活用する。
総会には、入会を申し込んでいる電気事業者126社のうち107社が出席。経済産業省の電力システム改革専門委員会委員長を務める伊藤元重・東大大学院教授が来賓として登壇し、「ダイナミックな社会変化に対応しながら、安定的な仕組みを構築しないといけない。機関に期待するところは大きい」とエールを送った。
広域機関は、昨秋の臨時国会で成立した改正電気事業法で設立が決定。
災害などで電力需給が逼迫(ひっぱく)する緊急時に、電力会社に地域間の電力融通を命令するほか、平常時には送電設備の増強などを電力会社に指導するなど電力の安定供給を確保する目的で新設される。