本気とは、ごまかしや言い訳のきかないものと定義付ける。会社員時代と違い、現在の売り物は自分。踊りは生ものであり、かつ自分という人間性がしみ出る。ごまかしが一切きかない真剣勝負の連続だ。3回目の新人公演のとき、祖父、そして会社員時代の同期が逝去。そのとき、審査員や観客ではなく、自分の大切な人たちに向けて踊ろう!と、気持ちを切り替えた。
フラメンコはもともと、ジプシーの踊りなので暗い内容のものが多い。しかし、死という人生最大の悲しみをもパワーに変換する力を持っている。踊っていてよかったと思えた瞬間だったと語る。
ロールモデルは坂本龍馬。固定観念、常識にとらわれない考え方に感銘を受け、自身も枠や境界線を跳び越えて活躍したいと願っている。従来のフラメンコにはない、タップダンス、タンゴ、ベリーダンス、浄瑠璃三味線、和太鼓、演劇など、他ジャンルも積極的に取り組み、新境地を開拓中だ。
「人生は自分探しじゃない、自分を創ることだ」。ノーベル文学賞受賞者で劇作家のジョージ・バーナード・ショー氏はこう言った。この言葉と永田氏がオーバーラップする。彼の活躍にも目が離せない。
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【プロフィル】柴田明彦
しばた・あきひこ 1959年、東京生まれ。慶大法卒。83年に電通入社、新聞局出版・コンテンツ開発部長などを歴任。2006年に退社し、(株)A&Y TRUST 0915 社団法人NS人財創造機構を設立。企業・団体の広報・宣伝、販売に関するコンサルティングなどを行う。