ヤギさん除草隊はヤギ20頭余りと人1人がパートナーシップを組んで作業を行う。ヤギにも好き嫌いがあって嫌いな草は食べないからヤギの助手を勤める人間がその草を刈りとる必要がある。
ヤギさんは大事なパートナーだから健康管理のため事前に毒草などを排除しておくことも助手の重要な仕事だ。ヤギ社員の労働時間は1日6時間あまりだが、彼らは草を食べた後体内の4つの胃で反芻(はんすう)しながら消化するためにすぐ寝そべって休憩する。したがってヤギ社員の実働時間は1日3時間である。それでも機械除草より生産性は高い。
すべてが順調に行っているように見える「ヤギさん除草隊」だが、今のところ冬期の仕事確保が悩みである。冬の間は除草の仕事がないから収入はなくエサ代など経費ばかりがかさむ。ヤギ社員に年間を通して安定した仕事を供給するために渡辺さんはヤギたちに除草以外のスキルをどう付けるか思案中である。荒れた耕作放棄地や里山の再生を手伝って欲しい。ヤギの家族愛や親子愛を子供たちに学ばせたいと幼稚園や小学校からの問い合わせもある。ヤギと一緒に新しいビジネスモデル作りに挑戦する農村起業家、渡辺祥二さん。日本の若い衆はまじめで、愉快で、素晴らしい。(実業家 平松庚三)