全国の株式会社と有限会社の社長約117万5千人のうち、女性社長は約8万7千人(7・4%)にとどまることが7日、帝国データバンクのまとめで分かった。政府は成長戦略などで、あらゆる分野の指導的地位に女性が占める割合を「2020年までに30%程度」とする目標を掲げているが、道のりは険しそうだ。
業種別に女性社長の割合をみると、「美容業」が35・1%で最多。2位の「化粧品小売り」(34・4%)を含め、「美」に関する業種では女性の躍進が目立つ。3位は「老人福祉業」(29・9%)だった。
一方、社長の就任経緯をみると、女性は「同族継承」が50・9%と過半数を占め、自ら事業を始める「創業」は34・7%だった。一方、男性の場合、「同族継承」は36・6%で2位。トップは「創業」の43・1%だった。“出世”による「内部昇格」は男性が11・5%に対し、女性は7・9%。
帝国データは、女性の「同族継承」が多い理由について、女性の方が男性より長生きのため、「夫が立ち上げた事業を妻が引き継ぐケースが多い」(産業調査部)と分析する。
ただ、中小企業では出産や子育てで女性が離職を余儀なくされるケースは多く、帝国データは「女性が活躍できる環境整備がますます求められる」と指摘した。