日本では「ゆとり世代」と呼ばれる若者に対して、これまでの若者と違う特質をもっていると仮定し、新人教育や職場内教育(OJT)を含めて取り組み施策を工夫している会社が多い。新人の特徴としては例えば、すぐに答えを求めるとか、目標に対してそこそこのレベルに仕上げてくる力はあるが、それ以上を目指さないとか、精神的に弱いなど、以前の若者との違いが言われているため、今まで以上に細かく配慮している。
事例を紹介しよう。入社3年目のITエンジニアであるA君は、新人研修を受けた際に「自分の学びに自分で責任を持つ」という教訓を得た。自分が効率的、効果的に学び得ない原因を、講師やテキスト、カリキュラムなど、他責にしてはいけないという教えだった。また、そのときに学んだことで、配属されてからずっと実践していることがある。先輩や上司から与えられた仕事に対して、自分の考えを6つ用意するようにした。1つの問題に対して、正解と思う理由を3つ、不正解と思う理由を3つ、合計6つの回答を準備するようにしたのだ。
これはフィンランドの小学生たちが行っている手法で多面的に考える力をつける手法。今では顧客の課題に対して複数の案が思いつくようになった。
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【プロフィル】浦山昌志
うらやま・まさし 佐世保高専電気工学卒。1978年松下電器産業入社。90年CSK入社。93年米シスコシステムズの認定教育を日本で初めて開始。2003年IPイノベーションズを設立し、代表取締役。08年ASTD(米国人材開発機構)ジャパンの設立を主導し、現日本代表理事・事務局長。56歳。長崎県出身。