だが石坂さんはこの難問にこそビジネスチャンスがあるのではと考えた。そしてこれを事業化するために自らの会社「フォレストノーツ」を設立した。
だが、本当のチャレンジはそれからだった。石坂さんは当該山林の全地権者を調べあげ、一軒一軒訪ねて里山整備の必要性を説いた。地主は自分ができない整備を国がやってくれることには大賛成だったが、なかなか承諾のハンコを押してくれない地権者もいた。地上げ屋と間違えられたのだ。だが隣の山が美しく生まれ変わる様を見て地主の考えも少しずつ変わり始めた。
石坂さんのプロジェクトには国、行政、地主、山林整備業者と利害関係者が多い。この仕事には粘り強い交渉力はもとより、日本の山を救うという大義が不可欠である。里山が整備されれば全ての利害関係者が恩恵を受ける。最大の受益者は国民、つまりわれわれである。石坂さんは今都会の若者を集めて一緒に山に入り下草刈りをしながら森の大切さを学ぶNPO法人JUON NETWORKの「森林の楽校」にも積極的に関わっている。そして、いつかこの都会の若者の中から将来のビジネスパートナーが出てくるのを待っている。森林ベンチャーの先は長い。が、夢はでかい。日本の若者は素晴らしいよね。(実業家 平松庚三)