【企業スポーツと経営】朝日生命(中)体操クラブ (3/3ページ)

2014.9.9 05:00

塚原光男総監督

塚原光男総監督【拡大】

  • 千恵子監督

 もう一つ朝日生命体操クラブを有名にしたのは、塚原夫婦の長男、直也氏の活躍だ。息子は自然と体操の道に進んで、体操クラブで修練を積んだ。コーチとして招いたモントリオールオリンピックで個人総合金メダルを獲得したロシアのニコライ・アンドリアノフ氏から厳しい薫陶を受け、実力をつけた。1996年には全日本選手権で優勝し、同年のアトランタオリンピックに出場するまでになり、ついに3度目のオリンピックとなるアテネで男子体操団体金メダルを獲得するに至る。父子でのオリンピック金メダル獲得はそれまで例がなく、日本中から祝福された。

 12年のロンドンオリンピックの金メダリスト、内村航平選手は塚原直也選手に憧れて朝日生命体操クラブに入り、実力を磨いたと言われる。

 いまや体操界では押しも押されもしないクラブとなったが、「日本では、体操競技は全国に小さなクラブがたくさんあるが、強い選手がなかなか出てこない。やはり全国区的な大きなクラブが必要だ。幸いこのクラブは朝日生命という大きな企業がバックアップしてくれて、強い選手を育て、輩出することができるのです」と千恵子監督は企業スポーツの意義を語る。(小林隆太郎)

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