日本郵政の西室泰三社長は29日記者会見し、来春以降の株式上場に向け、グループ内の資本組み替えを行うと発表した。傘下のゆうちょ銀行が30日に自社株買いを行って1兆3千億円程度を日本郵政に移す。日本郵政はうち7千億円を、国営の旧郵政省時代から続く年金債務の一括処理に充て、上場前に財務内容を改善する。
残る6千億円は資本増強に充て、物流システムの再構築を加速する。
西室社長は「資本変更により、経営の柱である郵便局ネットワークを強化し、グループ全体の経営強化につなげる」と述べた。また「投資家が安心できるし、説明しやすい」とも述べ、年金債務の一掃により、投資家の財務懸念を払拭すると協調した。
日本郵政の連結自己資本約13兆4千億円のうち、ゆうちょ銀が約11兆5千億円を占めており、資本をグループ全体で有効活用する。
日本郵政は平成27年春をめどに準備を整え、来年度の上場に備える。株式の3割強は政府が保有するが、実質的な民間企業に踏み出すことになる。日本郵政上場後は「1年以内」(西室社長)をめどにゆうちょ銀やかんぽ生命保険も上場する方針だが、民間金融機関との競争環境の整備などが課題となる見通しだ。