家電・IT(情報技術)の見本市「CEATEC JAPAN(シーテック・ジャパン) 2014」が7日、千葉市の幕張メッセで開幕する。ソニーが初めて出展を見送り、出展企業数は過去最低を更新。シーテックの存在感低下が指摘される中、光明はアジアからの参加が増えたことだ。出展内容も、おなじみの映像や音響だけでなく、政府が成長戦略で後押しするロボットや次世代自動車の関連技術が目立つなど領域は広がっている。
6日に発表された出展者数は前年比7%減の547社・団体。台風の影響で、6日は開幕に先立つ記者会見などが中止になるなど、悪天候に出はなもくじかれた。
出展規模の縮小の背景には、9月にドイツで家電見本市「IFA」が開かれ、来年1月には米国で「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が開催されるなど、世界的な見本市に挟まれていることなどがある。昨年は日立製作所が出展を取りやめ、今年は経営不振のソニーが「『選択と集中』の一環として出展を見送った」。
一方で、海外から参加した企業の国・地域の数は前年の18から24に増えた。インドやシンガポール、インドネシアなどが加わったという。
フルハイビジョンの4倍の解像度を持つ「4K」放送対応テレビなど、従来の家電も目立つが、出展内容は多彩だ。東芝はメガネの内側にマニュアルや指示を映すことで、作業員らが両手を使いながら確認できるウエアラブル端末を体験できるスペースを設置。オムロンは、工場での技術を生かした卓球ロボットを日本で初めて公開する。
商品開発の方向性は見本市での反響に左右される。新しい技術が脚光を浴びれば日本メーカーが存在感を取り戻す契機になり得る。
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開催日は7~11日で、入場料は一般1千円、学生500円。最終日は無料。