【フロントランナー 地域金融】武蔵野銀行和光支店・支店長 山口英俊氏(3) (1/2ページ)

2014.10.20 05:00

 ■県境の個人資産家開拓に注力

 武蔵野銀行和光支店(埼玉県和光市)の営業担当者は課題解決型の提案を心掛けている。解決策の一つとして資金面の支援が必要になる場合もあるためだが、提案を積み重ねることで信頼を獲得し、資金が必要なときには真っ先に相談してもらえる関係を構築する狙いがある。

 資金面の相談を受けた際には、埼玉県信用保証協会が提供している「エグゼクティプ・プラス保証」の利用を提案。純資産額や自己資本比率など厳しい条件があるものの、代表者の連帯保証が不要で、最大2億8000万円まで無担保で保証が受けられる。保証料率も一般保証などより低い。新店舗の強みを生かして優良企業の開拓を進めているため、有利な保証制度も積極的に活用できるわけだ。

 新規開拓では、県境地域の個人資産家に特に注力している。山口英俊支店長は「賃貸マンションやテナントビルは都内に集中しており、個人への貸し出しを伸ばすには県境の資産家層の取り込みが欠かせない。ただ、個人のお客さまは近くの金融機関を選びがちなので、まず認知度のアップが必要」と話す。

 そのため、東京都板橋区と練馬区の資産家を開拓する専任の営業担当者を1人配置。収益物件を保有する資産家層を中心に新規取引の獲得を図っている。

 営業担当者は、賃貸マンションやテナントビルの登記事項証明書から所有者を確認し、積極的に「飛び込み訪問」を繰り返している。資産家の顧客は日中も在宅している場合が多く、資産管理に対する意識も高いことから、飛び込み訪問でも効果的な提案が可能だという。

 個人資産家の開拓にあたってもポイントとなるのは、課題解決提案だ。関心が高い話題を切り口に顧客の役に立てることをアピール。相談に乗りながら、収益物件の買い増しに伴う資金や既存借入金の肩代わりなどで融資のチャンスを探っている。

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