日本酒造組合中央会を訪問したイアン・ハリス氏=東京都港区【拡大】
筆者は、2000年に日本航空のグループ会社が国内でWSETのワイン教室を立ち上げた際の担当として出向した。WSETがグローバルなワイン業界の人材育成に大きな役割を果たしていることを知り、人材育成こそが、市場を育てることだと実感した。
そして日本酒が世界に誇れる宝とわかったとき、その価値を海外に広めるには、ワイン教育のネットワークに日本酒が入ること、ワインビジネスの人材がワイン同様に日本酒にも親しむこと-が不可欠だと確信した。
12年に始まった政府の「國酒プロジェクト」で、日本酒の輸出振興が国策となったときから多くの政府関係者に、WSET日本酒コース創設による世界への波及効果を訴え続け、今年ついに念願がかなった。WSETの日本酒コースが、世界への躍進につながると信じている。
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【プロフィル】平出淑恵
ひらいで・としえ 1962年東京生まれ。83年、日本航空入社、国際線担当客室乗務員を経て、2011年、コーポ・サチを設立、社長に就任。世界最大規模のワインコンペティション、インターナショナル・ワイン・チャレンジの日本代表。観光庁酒蔵ツーリズム推進協議会メンバー、農水省・経産省ミラノ万博サポーター、一般社団法人ミス日本酒顧問などを務める。