与党が圧勝した14日投開票の衆院選の結果を受け、安倍晋三政権が抱える経済政策の課題について経済人に聞いた。
--選挙結果の評価は
「今回の選挙は、安倍政権の経済政策『アベノミクス』の成否を問うものだった。与党の絶対的安定多数確保は、アベノミクスの方向性が信認された結果だ。経済政策は潮目を変えてきているが、安定政権で継続性を確保したことを評価したい」
--今後の課題は
「安倍政権になるまでの10年間は、日本の成長は横ばいだったが、安倍政権発足によって株価が大きく上がってきたほか、今春には企業の賃上げやベースアップにまで踏み込む企業も出てきた。消費税率が5%から8%に引き上げられる中で、実質賃金の上昇がそこまでは達していないという議論もあるが、賃上げは企業の前期の業績に連動するもの。賃上げは遅効性がある。安定政権となったことで、これまでの取り組みをさらに加速させる追い風になっている」
--政策面での注文は
「足元の景気は足踏みしているような統計数値となっているが、基調は上昇傾向にあることは間違いない。来年10月の消費税率引き上げの延期は、短期間で5%の税率を10%に引き上げることによる痛税感を和らげることができ、消費にとってはプラス。今後は、法人税減税などによって、企業業績を引き上げることが重要だ。企業の好業績が賃上げ、そして消費拡大につながる景気の好循環に向けたさまざまな施策を期待したい」(平尾孝)