キャドマックの自社製品に関するセミナー=東京都大田区の同社本社(提供写真)【拡大】
■板金加工機多様化に対応
板金加工機械向けのCAD/CAM(コンピューター利用設計・製造システム)用ソフトウエアで国内トップシェアを持つキャドマック。多様な機種に対応した汎用ソフトを開発し、高度化する中小製造業のニーズに応えている。
NC(数値制御)板金加工機はそれだけでは動かない。あらかじめ設計データをコンピューターで作成し、機械に転送する必要がある。ただメーカーごとにプログラムのコードが違うため製造元が異なる板金加工機を使う場合、機械ごとにデータを作成しなければならなかった。
「系列を超えた取引が増える中、どのメーカーの板金加工機でも動かせる汎用的なCAD/CAMソフトが必要になった」(高垣内昇社長)という。ここにキャドマックは存在価値を見いだした。
板金加工では温度変化などによる材料の伸びが大きいことから、長年、職人の経験や勘に頼った加工が主流だった。その後、少子高齢化などのため職人が減るなか、板金加工の世界にも3次元(3D)CAD/CAMが不可欠になったことも、同社が成長した大きな要因だ。
1枚の金属板に多くの部品を描いて無駄を少なくする「板取り(ネスティング)」や、板を曲げる「曲げ(ベンディング)」、板に穴を開ける「打ち抜き(パンチング)」など、さまざまな加工に応じたソフトを用意している。
求めに応じて顧客専用に調整(カスタマイズ)してから納入する。このためソフト1本当たりの価格は、使用できるパソコンの台数などによっても異なるが、調整前の基本パッケージの段階で数百万円という。
もともと同社は他社が開発した板金加工専用のCAD/CAMソフトの販売から事業をスタートした。顧客の声を聞きながらカスタマイズを繰り返すうちに、自前での商品開発を志向。その経験が顧客本位のソフト開発につながった。
2010年、独電機大手シーメンスのソフトウエア子会社と提携。同社の3DCADソフト「Solid Edge」(ソリッド・エッジ)ベースにした板金専用機能を自社開発している。通常、海外で新たな機械を導入した場合、最新ソフトのインストールに約1週間かかる。自動車や電機などを中心に海外に生産拠点を構えるグローバル化が進むが、キャドマックは顧客からの求めに応じてその都度、技術者を派遣してきた。
中小製造業の相次ぐ海外進出に対応するためキャドマックは機械商社、立花エレテックのタイ現地法人に拠点を構え、現地に1人を派遣している。企業を取り巻く環境が大きく変化するなか、キャドマックはこれからも日本のものづくりを支えていく。(松村信仁)
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【会社概要】キャドマック
▽本社=東京都大田区南千束1-4-1 コーポートビル4階
▽設立=1993年7月
▽資本金=2200万円
▽従業員=28人
▽事業内容=板金加工機械向けのソフトウエア開発、製造、販売