流通業界ではファミリーマートが今春の実績(月額5千円)を参考に、ベアを行う方向で調整している。
労組側の要求が出る前からベアに前向きな動きが出始めたのは、安倍政権が経済界に賃上げを強く求めていることが背景にある。
経営側も「景気回復を目指すアベノミクスを応援しない理由はない」(日産自動車のカルロス・ゴーン社長)と、おおむね前向きに受け止めており、経団連は業績好調な企業にベアを含めた賃上げ努力を求めた。
ただ、27年春闘では、影響力が大きい全トヨタ労働組合連合会が月額6千円以上のベアを統一要求する方向など、多くの労組で前回春闘の妥結額を大幅に上回る水準の要求が相次ぐ見通し。固定的な人件費の増額につながるだけに、経営側の本音は複雑だ。
「円安で企業間に業績の差が出てきた。ベアについて政府が口を出す情勢ではない」(日本電産の永守重信社長)と政府の関与に批判的な声も根強い。