東京電力を資金援助する原子力損害賠償・廃炉等支援機構は26日、運営委員会を開き、東電の経営基盤を安定させるため総合特別事業計画(再建計画)の見直しを指示した。これを受けて東電は、柏崎刈羽原発(新潟県)の来年夏~秋の再稼働に向け準備することなどを盛り込んだ再建計画を今年度内をめどに策定する。
運営委は、同機構の最高意思決定機関。原田明夫委員長は委員会後、「現状に即した内容に改定してもらう」と述べた。
運営委は柏崎刈羽原発が再稼働できなければ、東電は「2016年3月期の黒字化が困難になる」(原田委員長)と分析。今後2年間で社債の償還費用など1兆3000億円の資金が必要になることもあり、再建計画を見直す中で早期の原発再稼働を明示する必要があると判断した。
また電力各社が出資する日本原子力発電との連携強化も、再建計画に盛り込むことを指示。原発専業の原電はすでに廃炉作業の実績があるため、東電は原電から技術者の派遣受け入れを検討。海外事業などでも人材交流を進める考えだ。