【本気の仕事講座】(40)商いは楽しく、古風、斬新に (2/2ページ)

2015.1.20 05:00

老舗すき焼き店「ちんや」6代目店主の住吉史彦さん

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 浅草のすき焼き屋としては「オン・オフ」の切り替えがない。定休日も業界か、地元の用事をしている。寝ている間も仕事の夢を見る。販促面では、お客さまの記念日を登録していただくことに注力している。記念日に来店されれば割引になる。現象面では、クーポンとあまり変わらないかもしれないが、生じる空気は全く違う。記念日割引は店側もうれしく思うからだ。結婚記念日にご夫婦で来店していただくと、「どうぞお幸せに!」という気持ちになる。そういう「現場空間」を作っていくことこそ、すき焼き屋における本当の仕事だと考えている。スローガンは「商いは、楽しく、古風に、斬新に」だ。

 住吉氏の経営手法には「ズームイン」と「ズームアウト」が見事にブレンドされている。顧客固有の微妙なニュアンスを捉え、細部にわたる分析(ズームイン)と、高い位置から俯瞰(ふかん)する(ズームアウト)マクロな視点がバランスよく織りなされている。

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【プロフィル】柴田明彦

 しばた・あきひこ 1959年、東京生まれ。亥年、乙女座、AB型。慶大法卒。83年電通入社、新聞局業務推進部長などを歴任し、2006年退社。一般社団法人「NS人財創造機構」を設立し、大学講義や講演会、研修を行う。14年に設立した「多様性工房」で、広報・宣伝や販売コンサルティングも手がける。著書は「ビジネスで活かす電通鬼十則」(朝日新書)ほか。

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