鉄鋼大手3社の2014年4~12月期連結決算が3日、出そろった。国内需要の回復が遅れる中、原料価格の下落や円安による輸出環境の改善で3社とも営業増益を確保。15年3月期の業績予想も全社が経常利益を前回計画から上方修正したが、原油安で油井管需要の先行きを懸念する声もあった。
新日鉄住金は通期の単独粗鋼生産量の見通しを、昨年10月の計画から90万トン下方修正し、4520万トンとした。「消費税増税の影響が長引き、人手不足で建築工事も遅れている」(太田克彦副社長)
だが、経常利益は原料価格の下落が大幅に押し上げ、前回計画を100億円上回る4100億円を見込む。JFEホールディングスや神戸製鋼所も円安などで増益の予想だ。
ただ、新日鉄住金は油井管を製造する海外の関連会社を減損処理し、686億円の特別損失を計上した。「原油安の油井管受注への影響は来年度以降に出てくる」(JFEホールディングス)との指摘があった。