【高論卓説】収益の踊り場か、株主還元も注目 中西孝樹 (2/3ページ)

2015.2.12 05:00

 ナカニシ自動車産業リサーチの集計では、14年度の日本車メーカーの収益性は堂々と世界首位で、営業利益率は8.3%に達する公算だ。韓国メーカー2社の14年の実績は7.4%に落ち込み、その差は拡大した。さらに、欧州メーカーの6.2%も大きくしのぐ。果たして、この数値が示す通りに日本車の収益性は真の競争力に裏付けされているのだろうか。技術や製品を見る限り、これ程の差はないと考えた方がよい。足元の収益性はやや出来すぎと見るべきだ。先行投資や商品性向上を怠れば、その反動はいずれ支払わなければならない。目先の利益を最大化するよりも、競争力強化を優先すべき局面にあるのではないか。

 日本経済にとって明るい材料は、自動車輸出減少が底を打ち、国内生産の反転増が15年度には見込まれることだ。年初公表の日産の輸出強化策に続き、ホンダ、トヨタも中期的に輸出向けの増産が見込まれる。円高期に決定した海外生産移管が一巡するだけでなく、海外需要の増加にも対応する。

 好業績を反映し、人件費のベースアップや、弾力的な調達部品価格設定による下請け部品供給会社への波及効果も期待できそうだ。

 気がかりは、穏やかすぎる株主還元策の拡充だ。12月末のトヨタ自動車のネットキャッシュ(実質的な手元資金)はついに6兆7000億円に達した。還元増大を求めるアナリストの期待に反し、トヨタ経営陣のコメントは相変わらず慎重だった。株主へも満額回答となるか、5月にかけて発表される株主還元施策の内容が注目される。

 安定配当政策も大事だが、還元拡大に踏み込み不足ともなれば、株式価値拡大の圧迫懸念が台頭し、ROE(株主資本利益率)重視に向かう株式市場全体の活性化の足かせにもなりかねない。

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