春闘で経営側に賃金改善を要求し記者会見する全トヨタ労働組合連合会の金子晃浩事務局長=18日、愛知県豊田市【拡大】
対する経営側は、2年連続のベア実施に前向きな姿勢を示しており、トヨタなどは昨年の妥結額を上回る見通しだ。賃上げを「経済の好循環」につなげたい政府の意向があるためだ。
もっとも、経営側の本音は固定費が恒常的に増加するベアには消極的。海外勢とのコスト競争が激しい中、大手幹部は「6千円はかなり高めのボール」と打ち明ける。
円安の影響で、国内に拠点を置く中小・零細企業では輸入価格の上昇で採算が悪化しているケースも少なくない。労組側のもくろみ通り「中小企業や非正規を含めた賃金の底上げ」(自動車総連幹部)につなげられるかは予断を許さない状況だ。