インドネシアの森林保護強化 製紙大手APP、再生事業加速 (2/2ページ)

2015.2.19 05:00

APPがインドネシア政府とともに森林や動物の保護に取り組んでいる「ギアム・シアク・ケチルーブキットバツ生物圏保護区」=スマトラ島リアウ州(同社提供)

APPがインドネシア政府とともに森林や動物の保護に取り組んでいる「ギアム・シアク・ケチルーブキットバツ生物圏保護区」=スマトラ島リアウ州(同社提供)【拡大】

 事態を重くみた同社は抜本的な対策に乗り出し、持続可能な開発の実現に向けて経営方針を大きく転換することを決めた。12年6月に「持続可能ロードマップ・ビジョン2020」を発表、15年までに自然林伐採ゼロを目指すことを打ち出した。13年2月には、同ビジョンの目標達成時期を約2年前倒しし、自然林伐採を全面的に停止することを約束した「森林保護方針(FCP)」を宣言している。

 さらに、自社が管理する植林地に加え、インドネシア国内で1万平方キロメートル(岐阜県の面積に相当)に及ぶ熱帯雨林の保護・再生に向けた支援活動にも力を注ぐ。こうしたAPPの取り組みは同国で高く評価されている。同国林業省産林局長のバンバン・ヘンドロヨノ氏は「APPの取り組みがインドネシアのモデル、さらに世界のモデルになってほしい」と期待する。

 ただ、積み残した課題もある。熱帯雨林の維持を目的に設立された国際的非政府組織(NGO)のレインフォレスト・アライアンスは5日、同社のこれまでの取り組みに対し、一定の評価はするものの、「(地元住民の違法伐採といった)地域問題など、今後、解決しなければならないこともある」と指摘した。

 同社はこれらNGOなどの第三者機関やステークホルダー(株主や取引先などの利害関係者)とも連携し、地域に根ざした環境保全・再生事業を加速していく考えだ。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。