当日は約250人が訓練に参加した【拡大】
大分県遊協は、2001年12月に組合員店舗が放火され、店長が焼死する事件があった。この痛ましい過去を風化させないため、以後、毎年消防訓練を実施。14度目を迎える今年、臼杵市消防本部は、大規模災害を想定した年1回の総合訓練の最もふさわしい機会として合同実施へと踏み切った。併せて、近隣自治体の佐伯市、津久見市の消防本部も連携。08年に発足した大分DMAT(災害現場に派遣される医療チーム)も訓練に参加。さらに、第1次指定病院の臼杵市医師会立コスモス病院、大分大学医学部附属病院、大分赤十字病院の3チームがドクターヘリ、ドクターカーを使って参加した。
午後1時半から始まった訓練は、詳しい想定内容を直前まで訓練者には知らせないブラインド型で実施。現実さながらの緊張感みなぎるなか、店内で火災報知機が作動(漏電による火災発生)、従業員が遊技客(遊協組合員)を避難誘導するところからスタート。通報により消防隊が駆けつけ、通報内容と状況を逐次伝えながら消化活動を展開。救援活動、負傷の状況、応急措置、重篤者の手当て、搬送先の確保、搬送手段など、一刻を争う中での大規模な訓練に総勢250人が参加した。
約90分に及んだ訓練の後、中野五郎臼杵市長は、訓練の積み重ねを通して、災害に強いまちづくりに努めることを強調。施設提供を含め、大分県遊協の全面的な協力に謝意を述べた。