今春闘では、非製造業でも業績好調な金融や、回復が鮮明な航空業界、人手不足に悩む外食産業や建設で、基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)実施などの賃上げが相次いでいる。
航空業界では、それぞれ全日本空輸が7年ぶり、日本航空が14年ぶりのベア実施となった。足元の堅調な業績などを踏まえ、従業員の待遇改善を図る。
損害保険ジャパン日本興亜が20年ぶりにベアを実施する方針のほか、三越伊勢丹ホールディングス(HD)も、2011年の「三越伊勢丹」発足以来初となるベア実施となる見通しだ。
人手不足を背景にしたベア実施が昨年よりも拡大している。18日、「餃子の王将」を展開する王将フードサービスが、月額4300円のベア実施を発表した。今期、連結最終損益予想が赤字となっている牛丼「すき家」を展開するゼンショーHDもベアを実施するなど、人手不足の深刻さをうかがわせた。
大手建設各社でも大成建設、大林組がベアを実施する。今後、鹿島や清水建設の労働組合が経営側に対して、賃金改善要求を行うことにしており、各社に広がる可能性もある。
さらに、外食産業や建設では、新入社員獲得拡大を進めたいとして、初任給の増額も相次ぐ。ただ、人手不足を背景にした賃上げは、一過性になる可能性も指摘されるなかで、各社が一層の業績改善に取り組む必要もある。
◇