「成長には経営機能の強化と各事業会社の自立的経営が必要」(近鉄グループHDの吉田昌功社長)。そんな危機感が近鉄を持ち株会社制移行に駆り立てた。
つまずき
成長のために発足した近鉄グループHDだが、出だしでつまずいた。近鉄百が4月10日に発表した27年2月期連結決算で24年2月期以来、3年ぶりの最終赤字に転落したのだ。和歌山店(和歌山市)などの損失計上が赤字転落の直接的な原因だが、昨春全面開業し、業績への貢献が期待されていたハルカスの本店の苦戦も影響した。
「若年層の取り込みを狙ったが、うまくいかなかった」
近鉄百の高松啓二社長は決算発表にあわせて大阪市で開いた記者会見で、本店の不振を素直に認めた。
ハルカスは今年3月で全面開業から1年が過ぎ、展望台などは好調だが、近鉄百が集客の目玉に据えた若い女性向け専門店街「ソラハ」の低迷から、26年3月~27年2月の本店の売上高は専門店などの売上高をそのまま足した取扱高ベースで1115億円にとどまった。当初目標の1450億円を大きく下回り、昨年8月に下方修正した1170億円にすら届かなかった。