今回、マルホンと奥村の経営破綻劇で今までになかったのは「他メーカーが傘下に収めるという選択肢が取れなかった」という点だ。両社のレベルだとエンドユーザーへの認知は高くマルホンなら「ソルジャー」などの大ヒット機、奥村ならモナコというブランド名と「ドリーム」シリーズなどの大ヒット機があって、従来レートならどこかが引き受けてきた。今回、両社ともにそういう形の支援や身売りを模索していたのにもかかわらず引き受け先がなかったということは、遊技機メーカー全体が疲弊しているのだろう。
マルホンは民事再生手続を利用して懸命に事業再建を狙っているが、奥村は破産であり消滅する運命だ。遊技機メーカー職域はもはや安泰ではない。ぱちんこ屋職域と同じく優勝劣敗の職域となった。
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【プロフィル】POKKA 吉田
ぽっか・よしだ 本名・岡崎徹。1971年、大阪生まれ。東京在住。神戸大学経済学部中退。ぱちんこ業界専門のジャーナリスト。『パチンコオカルト信者につけるクスリ』(扶桑社新書)など著書、連載等執筆業およびテレビ出演、講演など多数。