大手生命保険各社が複数の保険会社の商品を取り扱う「保険ショップ」や銀行の窓口経由など新たな販売ルートを相次いで強化している。自社商品の優先的な販売はできないが、売れ筋など顧客ニーズを迅速に把握し、商品力を高めることなどが狙い。25日には、日本生命保険が自ら保険ショップの運営業務に乗り出すと正式発表した。
日本生命は、保険ショップ「ライフサロン」が実施した10億円の第三者割当増資を22日に引き受け、子会社化した。今後、職員を10人派遣、店舗数を50店舗から10年後までに300店舗に増やす方針だ。
同社は、銀行窓販専門の商品を開発する専門の子会社を設立する方針も掲げており、買収も視野に入れる。筒井義信社長は「銀行窓販を通じて保険に加入する流れも出ている。参入は顧客動向の把握にもつながる」と話す。
保険ショップ「ほけん百花」を自社で70店舗展開する住友生命保険は4月末、あいおいニッセイ同和損害保険、朝日生命保険とともに、保険ショップ「ほけんの窓口グループ」の子会社へ少額出資した。今月14日から保険ショップ向け死亡保障商品を本格販売しており、出資は商品強化の一環とみられる。
第一生命保険は、外貨建ての一時払い保険が好調な銀行窓販の販売強化に加え、今秋から子会社「ネオファースト生命保険」の営業を開始する。保険ショップ向けの医療保険などを主に手がけ、「従来比2~3割安い価格で提供する方針」(担当者)だ。明治安田生命保険は「割安性はなくても保険商品を自ら選びたいというニーズ」(担当者)があるとして都市部の直営店舗の配置を見直す。
生命保険文化センターなどの調査によると、訪問販売による新規契約は平成19年は56・7%あったのが25年は49・7%と5割を切った。一方、保険ショップは19年の3・8%から9・4%と上昇傾向だ。各社とも訪問販売が主力との位置づけは変えないが、販売ルート拡大は従来取り込めていない顧客開拓につながるとみている。(飯田耕司)