日本製紙は26日、2017年度まで3カ年の中期経営計画を発表した。主力の国内用紙市場の縮小を受け、設備投資総額の5割弱に相当する計1270億円を電力やヘルスケアなど成長分野に充てる。事業構造の転換を加速し、17年度の営業利益を14年度比で倍増の500億円に引き上げる。
野沢徹取締役は同日の記者会見で、「経営資源をM&A(企業の合併・買収)など成長分野に振り向ける」と述べた。
計画は、円安による原燃料価格の高騰で不振の用紙事業の収益を改善しつつ、成長分野に投資を振り向ける方針を打ち出した。
電力事業は石巻工場(宮城県)で18年3月に事業開始を予定するバイオマス火力発電に、3年間で450億円を投資。紙おむつなどヘルスケア事業でも京都工場に50億円を投じて増産態勢を整え、収益基盤の拡充を図る。
また、製紙事業では市場が縮小する国内の印刷用紙から、需要が堅調なコップなど容器や包装に使う用紙に軸足を移行。需要が伸びる東南アジアなどへの輸出も拡大して工場の稼働率を確保する。
ただ、同社は岩国工場(山口県)で生産する植物由来の先端素材「セルロースナノファイバー」の事業化にも取り組むが、「計画には入れていない」(野沢取締役)として業績の上積みを目指す。