常久秀紀取締役【拡大】
東京都が8割超出資する新銀行東京と、首都圏が地盤の東京TYフィナンシャルグループは27日、経営統合に向けて交渉していることを明らかにした。都が保有する新銀行東京の株式と、東京TYの株式を交換し、新銀行東京が東京TY傘下に入る方向で調整している。これに伴い、都は銀行経営から事実上退く。
新銀行東京は同日、寺井宏隆社長(61)が退任し、後任に常久秀紀取締役(52)が昇格する人事を発表した。6月11日開催の株主総会後の取締役会で正式決定する。新トップの下で来年4月の統合を目指す。
東京TYは都との業務提携も検討している。中小企業向け融資で連携を強化したい考えだ。
新銀行東京は2004年、当時の石原慎太郎知事の主導で、都が1000億円を出資して設立された。
ずさんな融資などで一時経営危機に陥り、08年に都が400億円を追加出資。店舗網を整理するなど経営効率を高め、10年3月期からは黒字に転じ、経営再建の道筋をつけた。
東京TYは昨年10月、東京都民銀行と八千代銀行が経営統合して発足。合併後の総資産が約5兆円の中堅地方銀行グループとなった。新銀行東京を傘下に加え、さらなる融資拡大を目指す。
首都圏では、横浜銀行と東日本銀行が来年4月の統合を予定しており、顧客争奪戦の激化は避けられない状況だ。
◇
【プロフィル】常久秀紀
つねひさ・ひでのり 慶大卒。1987年三菱銀行(元三菱東京UFJ銀行)。プライスウォーターハウスクーパースコンサルタントを経て2004年新銀行東京。14年6月から現職。山口県出身。