欧州連合(EU)などの対ギリシャ金融支援で、双方の実務者はギリシャ側が支援の合意目標としていた5月31日も協議を行ったが、物別れに終わった。EUが求める年金減額と最低賃金の引き上げ凍結をギリシャ側が拒否したためとみられる。日本経済には当面、直接的な影響はないもようだが、市場では株価への悪影響が懸念される。
ギリシャのチプラス首相は31日、実務者協議とは別に政治決着を図ろうと、ドイツのメルケル首相、フランスのオランド大統領と3者で電話会談を行った。しかし、支援の条件となる財政再建策の対立解消で大きな進展はなかったという。
ギリシャは、6月5日の3億ユーロ(約400億円)の返済を含め、6月中に合計4回、約15億ユーロ(約2千億円)をIMF(国際通貨基金)に返済する必要がある。今回の協議が不調に終わり、6月末に一括返済となる懸念も出てきた。
IMFへの返済が遅延しても民間金融機関などへ影響が及ばないため、債務不履行(デフォルト)には相当しない見通しだ。ただ、7~8月には合計約67億ユーロ(約9千億円)もの国債償還が控える。6月末に合意できなければ、ギリシャのデフォルト懸念が高まる。
万一、ギリシャがデフォルトした場合、三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、「株を売る口実ができ、日本株への悪影響も想定される」と指摘する。また、「ギリシャは船の保有量が多い。国際的に新造船価格が下落するケースも想定される」(政府系金融機関)との声もある。
一方、財政問題を抱えるイタリアやスペインなどに問題が広がれば「比較的安全とされる日本に金融資産が流れる可能性がある」(野村証券の吉本元シニア・エコノミスト)として、為替が円高に動くとの分析もある。